ブレヒト セチュアンの善人 [日記]
先日、ベルトルト・ブレヒトの「セチュアンの善人」を読みました。
四川にある貧民街を舞台にしたお話です。
善人を探して旅する神様やあの手この手でお金を得ようとする人々。
ユニークな登場キャラは読んでいる人を飽きさせません。
ぐいぐい作品の世界に引き込まれてしまいました。
ただ、それ以上に強烈だったのは作品に込められたメッセージ。
経済に関する作者の独特の考え方には共感を抱きつつも、考えさせられることもありました。
人は善人ではいられないのか?善人でいる限り、お金持ちになることはできないのか?
ありきたりではありますが、いつの時代にも問いかけられる普遍のテーマを
ブレヒトは独特の手法を用いて、作品の中で問い直しています。
現代に生きる私たちはいったいどのようにして、その問いに答えていくべきなのか。
そもそも、その問いかけを現代に持ち込む意味は何なのか。
そんなことまで考えさせられる作品です。
作品としてはそこまで有名な作品というわけではありませんが、演劇をやっている人は図書館などで探して、ぜひ一度読んでみて下さい。